
開田口から木曾御岳へ (2001年夏の記録)
木曽御岳 めいほうスキー場より (2006年2月)
はてしない原生林、神秘的な山上湖、可憐なコマクサ、ライチョウ、カモシカとの出会い、厳かな山岳信仰の世界...
木曾御岳の開田口コースは行き交う人の姿も稀で、静かな山旅を好む人にオススメです。
☆2001年 7月21〜22日 単 独
☆天気: 晴れ
☆アプローチ: 電車・バス
┼┼ 新大阪6:00 ┼┼ 名古屋7:10 ┼┼ 8:35 木曽福島 8:40 ⇒ 9:13 木曽駒の里 9:39 ⇒ 9:55 旭ヶ丘
☆コース
旭ヶ丘 → 10:50 尾ノ島滝 → 12:00 4合目登山口 12:30 → 14:30 7合目小屋 14:50 → 16:10 三ノ池避難小屋 (泊)
三ノ池避難小屋4:40→四ノ池→5:25 継子岳(2859m) 5:35→6:00 飛騨頂上→ 6:45 摩利支天山(2959m) 6:55
→ 7:25 二ノ池 → 8:00 剣ヶ峰(3067m) 8:20 → 10:15 田の原 10:45 ⇒ 木曽福島
7/21
【開田高原】 木曽福島駅からは夏期臨時のチャオ御岳行きのバスがあったので開田村の木曽駒の里入り口まで行って乗り
換えることにした。(この臨時バスは開田登山口の最寄には停まらないので注意)開田高原は3回目。最初は中学生の頃、
家族旅行で、2回目は地蔵峠を自転車で越えて濁河温泉へ抜けた。開田マイアやチャオ御岳といったスキー場もでき、トン
ネルも開通して便利になった。でも今度来る時はまた地蔵峠を越えて訪れたいものだ。バスの乗客は全て中高年の山屋さん、
チャオ御岳のゴンドラ利用で御岳最北のピーク継子岳へ足を伸ばすのだろう。木曽駒の里入り口バス停で一人降りる。
開田村の観光案内所や蕎麦屋がある。残念ながら蕎麦屋はまだ準備中、その代わりに山中での行動食用に冷凍の蕎麦饅頭を
2個買った。後続の西野行きに乗り換え登山口の旭ヶ丘バス停で下車。あいにく御岳は雲に隠れて見えない。
【開田口コースを行く】 ペンション・別荘の並ぶ高原の舗装道路の登り。照り返しが非常に暑い!とにかくガマンガマンの
ガマン坂♪♪ 開田高原キャンプ場で尾ノ島滝方面への感じの良い林道へ入る。尾ノ島滝は林道から少し下った所にあり、
水しぶきが心地よい。滝の左右に伏流水が流れていたのでポリタンクに詰めた。元の林道に戻りさらに登ると2車線の車道を
横切る。開田登山口方面を示す道標があるのでそれに従って左の林道に入る。山小屋風ロッジの前を通り、山深さを増した
林道はやがて4合目登山口へと達する。ここからは車道を離れ山道となる。頭上に灰色の雲が掛かり天候悪化が懸念される。
ここでさっき買った蕎麦饅頭を食べた。ちょうど自然解凍されて食べ頃の冷たさ・硬さだ。人の話す声が近づいてきてMTB
の若者3人が現れた。さらに林道を詰めるという。この林道どこに出るの、と聞くとわからないが行ける所までいく、という。
いいなあ、若者は(^^)
【7合目避難小屋へ】 山道の入るとすぐに4合目避難小屋跡に着く。すでに小屋の柱の残骸が散らばるのみ。但しとても
よい水場が有り助かる(この先水場はない)。ここからは苔むした原生林の登りとなる。5合目まではきつい登り、おまけに
結構長い。6合目までは緩い尾根歩き、さらに遠い。まああせらずボチボチいくことだ。今日初めての下山者とすれ違う。
今日泊まるつもりの7合目避難小屋のことを聞くと、エッ、あそこに泊まるの? というような顔をされた(・・)?
6合目でも50代男女4人のパーティとすれ違う。長い下りにうんざりの女性陣が3名。7合目避難小屋のことを聞くと、
白1点の男性は次のようにコメント。「ああ。あの幽霊小屋(!) まああんな小屋でも山じゃオアシスだわな。」
こりゃ覚悟しといた方がよさそやな〜(^^; それはともかく原生林を行く道は清々しく歩き応えあり。7合目が近づくと
御岳頂上方面が見えるところもある。そしてようやく7合目着。避難小屋は痛みが激しく中もかなり荒れている。
但し雨の日には重宝するだろう。
【三の池へ】 しばらく小屋の前でボーッとしていたが、時間は2時過ぎ、夕立や雷雨があればまたここに戻ってくると
してさらに上に登ることにした。傾斜がきつくなり高い木がだんだん少なくなる中、森林限界を超えると8合目に達する。
小雪渓が現れ、高嶺の花が咲き乱れる。長い樹林帯あるきのごほうびのような別天地の中を急登。そしてついに御岳頂上の
一角へ登りつく。幸い夕立も無くきつい坂ながらも快適な高山帯の歩行を楽しめた。ザクザクとする礫岩の道を少し登ると
左から黒沢口からのトラバース道が合流し三の池に着く。三の池はいかにも旧火口を思わせる地形で周囲三方を急斜面に
囲まれた火口湖。斜面を鈴をつけた白装束の巡礼さんが登っていくのが見え、信仰の山へきたことを実感する。池のほとり
には競輪場で鳴らすような鐘。いつかテレビで見たニュージーランドの峠のよう。どこか浮世離れした雰囲気が漂う。
池の向こうの高台には御岳小屋があるらしく10人近い登山者がこちらの方を見下ろしている。池の横に避難小屋があり
泊まることにした。入り口の扉なし、側壁も所々に穴、内部も汚れが目立つ...そんな小屋だが、それでも7合目避難小屋
よりははるかにきれいである。すでに名古屋からきたという2人組の登山者が陣取っている。一人は中国系外国人の若い青年、
もう一人は45才位の男性で、濁河温泉に車を置いて登ってきたという。その後、斜面を下りて小学生2人を連れた家族連れ
も到着。小屋は3人泊まれば一杯程度の広さのためすぐ横にテントを張っていた。やがて日も暮れ、漆黒の闇。小屋の前の
広場で計7人でミニキャンプファイヤーを開く。ハイマツの枯れ枝は油が多いのか勢い良く燃える。
7/22
【継子岳から飛騨頂上へ】 不安な避難小屋の夜を共にした御2人に別れを告げ継子岳へと向かう。三の池東側の火口縁を通り、
四の池への踏跡を下る。四の池...といっても水溜りはなく、どこから湧き出すのか豊富な水が沢となって東へ流れている。
高嶺の花咲く別天地で、ゆっくり遊んでいたい所だ。大岩をちりばめた斜面を継子岳東のピークへと登る。エリアマップでは
破線路だがしっかりとした踏跡が付いている。継子岳へはなだらかな尾根を辿る。継子岳山頂からは北が開ける。残雪の白山、
槍穂高連峰、乗鞍岳を望む素晴らしい山頂だ。はるか下にチャオ御岳スキー場が広がる。振り返れば最高峰剣ヶ峰が何時の間にか
赤茶色の姿を見せている。まるで月面クレータのようだ。継子岳頂上にはドーム型石室の残骸があるが、屋根のレンガはすべて
落ちている。この石室を避難小屋と紹介しているガイドブックが有り、当てにして泊まった人が遭難したことがあったと聞く。
御岳小屋へは雲上の散歩道♪♪ 濁河からの道を合わせるとまだ新しい飛騨頂上の御岳小屋に着く。
【摩利支天山 ライチョウ・カモシカ】 摩利支天山へはハイマツ斜面の急登。ずっと上の方までジグザグ道が続くのが見える。
10分も登った頃だろうか。目の前を鳥が横断!初めて生で見るライチョウの親子である。しばらく観察し、後続の登山者に
ライチョウの存在を教えてあげてその場を後にする。急登が続き尾根の乗越に出た。眼下に賽の河原、二の池小屋、奥に剣ヶ峰
が全容を現す。ただ私の目は剣ヶ峰の右に聳える尖峰に釘付けになった。継母岳(2867m)である。摩利支天山へは屏風のように
西に伸びる尾根の往復になる。ほとんどの登山者は登ろうとしないが行って見ることにした。稜線は岩場のため、剣ヶ峰側の斜面
に道が付いている。花の多い楽しいコース。屏風の先端に摩利支天山の頂上は有った。狭く2〜3人が何とか座れる程度の広さ。
南北西の視界が広く、登ったピークの中で一番気に入った。\(^○^)/ 直ぐ下でなにやら動く音がする。見るとカモシカ
である。彼(彼女?)実に元気がよく、高山植物を荒らしながら人間なら滑落しそうな急な岩場を走り回っている。カモシカの
ジョギング!カモシカを見るのは2回目、前回は栃木県・足尾の庚申山行者コース(現在は通行止めという話)で、至近距離で
しばらくにらみ合ったあと「フンッ」という捨て台詞(?)を残して走り去っていった。カモシカって結構好奇心旺盛で
人なつっこいところがあるようだ。
【二の池の味】 元の縦走路に戻り賽の河原へ下る。白装束の御岳講御一行が多い。まだ小さな子供も結構いる。
巡礼登山の未来、いや日本の未来は明るい!賽の河原にも避難小屋がある。三の池の小屋と同じ位の大きさだが、まだ新しく
中も清潔。泊まるんならこの小屋がオススメ!ハイマツの斜面をひと登りで二の池に着いた。さてここで問題発生。飲料水が
底をついたのだ。二の池小屋を当てにしていたが売店らしきものがない。池の辺の遥拝所にコップが置いてある。となると
池の水でも飲もうか、ということに...(^^; 昨日三の池で一緒に泊まった登山者は、御岳講巡礼者は三の池の水を飲んで
いる、といっていた。小屋の人に聞くと二の池の水も飲めるよ、という。そこで勇気を出して...ミネラル豊富な味、
ちょうどミネラルウオーターのコントレックスのような味で、体力回復に効くかも... ということでボトルに詰める。
さあ、あとは剣ヶ峰の登りだ!
【継母岳と幻の松原新道】 継母岳とは剣ヶ峰の西に聳える独立峰。以前、王滝から濁川温泉経由で継母岳へ登り剣ヶ峰に
至る松原新道というコースがあった。20数年前の大地震で発生した土石流により濁川温泉が壊滅したことは記憶に新しい。
合掌。松原新道も廃道となり、継母岳も忘れられた存在。ちなみに私の叔父は若い頃登山が趣味で、松原新道を登ったことが
あるそうだ。一の池の縁を巡る通称御鉢巡りコースを進みながら、私の視線は剣ヶ峰ではなく、継母岳から離れることは
なかった。継母岳方面へ下る踏跡は一応有るには有るようだが道標もなく、バリエーションルートであろう。尖峰で頂上付近
はガレている。思い付き気分で登れる山ではない、と判断し行くのはやめた。また次の機会に登頂を目指そう!
【最高峰剣ヶ峰】 剣ヶ峰が近づくと右手に旧噴火口が見え出す。まだ煙を上げていて荒々しい。
地球の力の巨大さを感じさせる。剣ヶ峰へは石の積み重なる坂をひと頑張りで着いた。山頂には立派な神社が立ち、
御岳講信仰の変わらぬ隆盛を感じる。頂上広場の登山者は皆ケータイで話中だ。私も留守宅に登頂を報告。良く晴れて
展望が楽しめた。\(^○^)/ 頂上から階段を下りた所に小屋があり、売店がある。やっぱり池の水には不安があるので、
飲料水を買い込んだ。
【王滝口へ下る】 荒涼とした道を王滝山頂経由下山する。王滝登山道は行列ができるくらい登山者が多い。さっき小屋で
飲み物を売っていた若者2人がすごいスピードで抜かして行った。この若者達は御岳講の関係者らしく、祠のあるところ
では遥拝していた。王滝登山道は下るに従い花も多くなり景色も最高に良いのだが、やはり開田登山道の静寂、三の池・
継子岳・摩利支天山の自然が印象に残る。田の原からバスで延々と下り帰路に着いた。
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