後山奥の院から後山へ 

 

 西大峰の異名を持つ岡山県最高峰、後山。この後山に今も女人禁制を掲げる一角があります。
頂上の南側の谷、標高1100m付近にある後山奥の院です。前からどんなところか興味があり、
今回行ってきました。
 
☆地図  エリアマップ「氷ノ山」(ウラ面に後山の五万図有り)
☆2002年5月2日 単独
☆アプローチ  電車・マウンテンバイク(MTB)
            行き: ++大原(智頭急行線)=MTBで移動⇒後山駐車場 
            帰り: 後山駐車場=MTB⇒ベルペールの丘⇒大原++

☆歩行ルート  後山駐車場11:00→後山奥の院12:00−行者道→13:20後山(1344m)13:40→
        →船木山→後山キャンプ場→15:10後山駐車場
 
【後山山麓へ】  MTBを輪行袋にたたみ、快速電車を乗り継いで姫路へ。ここで倉吉行きの
特急「スーパーはくと1号」に乗り換える。まだ車両が新しい。自由席の1号車は展望車!
2号車はテレビ付きで運転席から見える風景が映されていて面白い。そして非常に速い。
速すぎて沿線風景をじっくり見ることができないのが残念なくらいだ。あっと言う間に県境の
トンネルをくぐり、岡山県の大原へ・・・
 大原駅で下車。MTBを組み立てて、東あわくら村の後山登山口へ走る。前方に後山から西側の
駒の尾山までの山々が迎えてくれる。棚田の田園風景の中を後山駐車場へ。行者コースと書かれた
後山奥の院への谷道を歩き始める。御地蔵様が路傍にあり歴史を感じさせる参道...
ただし直ぐに林道に合流、そして再び山道となる。左に後山キャンプ場への道を見送り、
さらに谷を登っていく。
 
【女人結界】 ふと見ると直ぐ前を50代の女性が登っている。不思議に思い追いついてどこまで
いくのか尋ねたところ、女人結界で引き返すという。私が奥の院へ行くとわかると 「へんっ、
男はええな!」 とマジ切れの激怒(・・; 女人結界門の前で悔しい思いをしている女性登山家は
多くいるだろう。その悔しさをストレートに食らい、とても複雑な心境だった。
女性を抜くと直ぐに奈良県の大峰山のような女人結界門に着く。白い目を背後に感じながら、
男の私は門をくぐる...(^^;
       
女人結界 後山奥の院
【後山奥の院】 この先は急登が続くが、しっかりした道が続く。丁石が有るので励みになる。
ナメ滝の連続がとても美しい。途中エリアマップで紹介されている後山南尾根へ取り付く道がある
ことは確認(道標あり)。但し、取り付きからいきなりの急登、というよりガレの登りといった
方がふさわしい取り付きで、かなりの悪路と見た。谷を離れ右岸の斜面をジグザグに登り切ると
いきなり場違いなほど立派な石垣が目の前に現れた。後山奥の院だ。まるで山城の跡。人の気配が
全くない文字通りの秘境!石垣の上には唯一つ残る御堂、南に後山南尾根がよく見えた。
 
【行者道】 さてここまで来たら、そのまま後山へ登りたいところ。途中確認した後山南尾根コース
とは別に奥の院の裏から東へ谷を渡って迂回するように後山南尾根に取り付くコース、通称行者道が
あるようなので探ってみた。奥の院の裏山から水を引くための黒いホースが下がってきているが、
それに平行して付いているかすかな踏跡を登るとはっきりした道に乗ることができた。赤い大きな
布(ビニールテープではなく)がぶら下がっている所に出た。正しいコースを捕まえてまずは安心。
しかしこのコース、谷源頭の沢をいくつも渡る道で、悪場が多く名前の通り元々は修験のみちだった
のだろう。古い御地蔵様が祀られた洞穴もあった。
       
行者道の悪場 ササヤブの尾根を登る(後山山頂を望む)
【ヤブこぎで山頂へ】 尾根を3つ越えたところで道はガクンと下り、崖上のトラバースに。
このまま悪場めぐりのようなコースを進むとまずいなと思った。振り返ると船木山の稜線の高さが
わりと近い。そこで今越えた尾根に戻りそのまま尾根上を主稜線目指して登る作戦に変更 ...
とはいえ、急な斜面に密生するネマガリタケの茎で総攻撃されているような登り!逆らって登るのは
骨が折れた。思ったより主稜線は遠かったが、斜面を登り切ると必ず登山道に出るのでめげずに進ん
だ。約1時間の格闘ののち、後山頂上の300m西側の登山道に合流。道があるのはホントに気持ちいい
もんだと実感!頂上は霧が立ちこめ視界ゼロだったが、ブナの木のシルエットが幻想的で印象に
残った。なにより難コース経由で頂上に立てたので、言いようの無い充実感を味わった。
山頂には3人の単独行の中年男性と夫婦連れが2組。地元の人もいたので行者道のことを聞くと、
上の方にガレがあり通過困難という。途中で行者道を離れ、尾根を登ったのはいい選択だったようだ。
 
【下山】 帰りはのんびり船木山から南へ下った。船木山の分岐を左へ、よく整備された階段状の
道を下ると、早くも植林帯に。但しさらに下ると再び自然林に戻り、西側の谷へ下降。こちらの谷も
きれいな谷だ。流れに沿ってよく整備されたジグザグの道を下り、後山キャンプ場下の車道へ降りた。
左へキャンプ場を横切り、感じの良い水平歩道、立派な滝を見ながら沢を横切る。そして見覚えの
ある分岐へ戻ってきた。あとは後山駐車場まではわずかの距離の下りを戻り、MTBを回収。
 
【MTBで山麓を巡る】 その後、自転車で山麓のいくつかのスポットを回った。
 1)愛の泉    :駐車場の直ぐ下にある湧き水。かなり遠方からも汲みに来る人が多いという。
           癖の無いまろやかな味。
 2)ベルピールの丘:日名倉山の中腹にある公園。フランスの凱旋門を模したモニュメントが立つ。
           日本最大級の鐘がある。今日はこの鐘の時報を聞きながらの山行だった。
           自然破壊だな、という気がしないでもないが...
           ちなみにここまでわざわざ登ったのは、あわよくば日名倉山にも登ろうと
           思ったからだが、「入場料300円」の看板を見てガックリ。登高意欲を
           そがれてしまった。日名倉山は兵庫県側から登るべき山か...
           それはともかく広い展望の得られる開放的な高台だった。
 3)大原の町並み :大原は旧因幡街道の宿場町。本陣の建物が今でも残る。大阪近郊で言えば
           茨木市にある旧西国街道・椿本陣とよく似た雰囲気だ。造り酒屋も有り
           「武蔵の里」という銘柄が目に付く。
       
ベルピール公園の凱旋門 智頭急行線のレールバス
【あわくらを後に】 帰りは智頭急行線のレールバスに乗った。地元の高校生などが乗ってはいるが、
ガラガラ状態に近い。智頭急行線は大名列車(特急 スーパーはくと、いなば)を通すのが主目的で
地元の人はあまり利用しないのか。旅人の私としては空いた車内で足を伸ばして帰れて気分良かった
...と思っていたら、上郡駅でJR線に乗り換えの際に自転車かついで300m+陸橋渡りを
させられたのには参った、参った (^^;
 

注)登りの後山奥の院経由のコースは女人禁制区域です。下りの船木山経由のコースは区域外で
  男女とも歩行可です。
 


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